ハレの日ときみ

猫がいるから、お雛様を出した。
猫がいるから、お雛様を出した。
猫がいるから、お雛様を出した。   わたしには、小さなお雛様がある。 海外で、引越しを繰り返す暮らしだったから、段飾りではない、両手にのるほどのコンパクトなお雛様。 一応、どの国にいたときも毎年、ひな祭りの時期がくると、棚の上に出して飾った。それが、わたしのひな祭りだった。 だから、着物を着て、お雛様の前に座って、記念写真、という文化はなかった。     日本に住むことになって、母のお雛様があることを知った。 古いお人形と聞いていたから、本音を言うと、少しこわい感じもあって、どんなものだろうと思っていた。ぜんぜん期待していなかったと言える。 でも、実際に見たら、想像以上にかわいくて、びっくりした。 丸くて、おぼこいお顔のお人形。昭和の時代に流行ったお顔の様式らしい。ふっくらしていて、その丸さが、やさしくて、すぐに好きになった。 古いものがもつ、時代の空気。色も褪せているかもしれないけど、ぜんぶ気に入って、自分でも拍子抜けした感じだ。     それで、その母のお雛様をいまの家に持ってきたのだけれども、正直なところ、自分だけだったら飾るかどうかわからない気もした。出すのも、仕舞うのも、少し面倒そうで。 でも、すこし頑張って、去年、初めて出した。 ルークとレイアにおしゃれさせたくて。その写真を撮りたくて。 そんな理由で、重い箱を引っ張り出したわけだけど、飾り終えて、写真撮ったりして、気づいたら、自分もひな祭りを楽しんでいた。なんか、すごく良かった。 去年の写真を見返したら、ヴィンテージの和リボンをつけているルークとレイア。     今年も出した。 まずレイアには、桜柄のミニ和リボンを着けた。 今年は着物バンダナを着けて写真を撮った。 ルークとレイアが、おしゃれして一緒にとくべつな日を過ごさせてくれることが、とてもうれしい。   猫がいるから、お雛様を出した。 わたしが季節を楽しめている。 お正月も、節分も、こうして、ひな祭りも。... 続きを読む...