Vol.12 保多織

Vol.12 保多織

薔薇の中の赤い帽子

薔薇を見に行った日のことを、よく覚えている。

豪華な薔薇が咲き誇る庭の中に、祖母がいた。小さな後ろ姿。頭に赤い帽子をかぶっていた。薔薇の赤と、帽子の赤。祖母はそのどちらにも溶け込んでいて、なんとも絵のような後ろ姿だった。

いい帽子ね、と声をかけた。

保多織のよ、と祖母は言った。

 

唯一の織元

保多織(ぼたおり)は、香川県高松市に伝わる伝統的工芸品。
江戸時代に、初代高松藩主松平頼重の命を受けた織物師が生み出した布で、「多年を保つ」ことからその名がついたという。藩の秘法織として守られ、幕府への献上品にもなった。

明治以降に、広く普及していたけれども、今、織元は岩部保多織本舗の一軒だけとなっている。

それゆえに、保多織の布を買うときは、岩部保多織本舗にいく。

これが、いちばん楽しい時間かもしれない。

なんでもオンラインで仕入れができる時代に、実際に布を見にいけることの意味は大きい。織元の声を聞きながら、布にふれて、見て、買う。ふつうのことのようで、とっても貴重な体験なのは間違いない。

 

多年を保つ布

ワッフル状の細かな凹凸が、保多織の特徴。糸を規則的に浮かせて織ることで生まれる凹凸が、空気を含み、夏は涼しく、冬は冷たさを感じにくいと言う。とても、よい肌触りの布。

高温多湿な讃岐の風土が育てた生活のための布とも言われてて、ふしぎなほどに親しみやすい風合いもある。やさしくて、ほっこりする感じ。素朴さもある。

そう、祖母の帽子のように、いまも暮らしの中に溶け込んでいる保多織。

そうでありながら、逸品でもある。

伝統的工芸品に指定されている織物の所以、400年の歴史も伝統的な技法も、高級感もすごい。なかなか尊い。

この一見矛盾したバランスのよい感じが好きなのです。

 

祖母と織元

保多織は、以前より工芸品展で見かけていたから、布の名前は知っていた。でも、薔薇の庭の祖母の帽子を見るまで、エルエルポウズの布になるとは思っていなかった。

布との出会いって意外とおもしろいなぁと思っていたら、それだけじゃなかった。

あとで知ったことだけど、祖母と岩部保多織本舗の方は同級生だという。

布は、人と人のあいだにも織り込まれているというのは、大げさかもしれないけれども、そういう縁が、あの薔薇の庭までつながっていたのかもしれない。

 

保多織のペットアイテム

それから、保多織でのペットアイテム作りに挑戦している。

保多織のマットをルークとレイアが使いながら、どんな感じか様子を見てきた。猫たちも保多織の上で寝るのが大好きで、愛用中。『多年を保つ』も本当にそう。ルークとレイアのテストをパスしたので、今年はオンラインショップでも販売予定。

それに、保多織の冒険バンダナは、エルエルポウズのシグナチャーバンダナのひとつ。

エルエルポウズのはじまりの布。エルエルポウズはじまりの”フレイバンダナ”。

そう、エルエルポウズが冒険に出かけるときのトレードマークだから、フリンジがひらひらしたスタイルのフレイバンダナを冒険バンダナと呼ぶようになった。

というわけで… いっしょに冒険にでかけましょう!
わたしたちには、心強い相棒がいますから。